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タカ舞う猿猴橋 再び 90年前の威容 広島市復元

 1926年に建造され、戦争や被爆の記憶を伝えてきた広島市南区の猿猴橋を90年前の姿に復元する工事が終わり、現地で28日、地元住民たちが完成を祝った。戦前に多くの市民が親しんだ照明柱などの意匠が復活。夜には柔らかな明かりに包まれた。

 JR広島駅に近い猿猴橋は戦前、優美な姿が「広島一の橋」と称された。しかし、青銅製のタカの像などは43年、戦時中の金属供出で撤去。被爆にも耐え、市民に親しまれた橋の威容を取り戻そうと願う住民団体の要請を受け、市が被爆70年記念事業の一環で4億1千万円を投じて復元した。

 完成式典で松井一実市長は「水の都、広島の玄関口として歴史をつないでほしい」とあいさつ。プロ野球・広島東洋カープの選手や地元住民が渡り初めをして完成を祝った。日没後には街灯がともり、4基の親柱と8基の照明柱を照らし出した。(石川昌義)

(2016年3月29日朝刊掲載)

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