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原民喜手帳を公開 被爆の惨状 作家の視点で 広島の原爆資料館

 原爆投下直後の広島の様子を克明に記録した作家原民喜(1905~51年)の手帳を紹介する資料展が30日、広島市中区の原爆資料館東館で始まった。5月8日まで。

 民喜は戦前から作家として活躍し、幟町(現中区)の生家で被爆。手帳は、避難した広島東照宮(東区)で目撃した被災者の姿などを作家の視点で克明につづる。この記録が、後に小説「夏の花」につながった。

 展示には、民喜のおい原時彦さん(81)=西区=から同館に寄託された手帳とともに、民喜の作品が掲載された教科書や、被爆直後の民喜の足取りを地図でたどるパネルなどが並ぶ。

 時彦さんは「民喜が手帳を通じて語り掛ける被爆の惨状を、多くの人に知ってもらいたい」と話している。

 手帳の実物の公開は4月10日まで。以降は複製を展示する。(石井雄一)

(2016年3月31日朝刊掲載)

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