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07年焼失 邇保姫神社が完全再建 伊勢神宮の木材 譲り受け活用 

神殿・幣殿を新調 広島市南区あす遷座祭

 2007年の不審火で本殿など4棟が焼失した広島市南区西本浦町の邇保姫(にほひめ)神社で、新しい神殿や幣殿が完成した。伊勢神宮(三重県伊勢市)の旧社殿のヒノキ材を譲り受けて活用した。17日にはご神体を神殿に戻す「遷座祭(せんざさい)」があり、地域住民がちょうちんを掲げて地域のシンボルの復興を祝う。(土井和樹)

 神殿と幣殿は、いずれも木造で広さ計約70平方メートル。内部にスプリンクラーを設置した。神殿と式典などが行われる拝殿を幣殿がつなぐ。

 邇保姫神社は07年9月、市の被爆建物に登録された神殿や拝殿、幣殿などが全焼。10年に氏子たちの寄付金などで拝殿を再建したが神殿と幣殿は資金不足のため見送っていた。

 伊勢神宮は13年、20年ぶりに遷宮。解体された社殿のヒノキ材を無償で譲り受けることが決まった。遷宮作業に当たるなどした宮大工5人が同神社の神殿、幣殿の再建に協力。約5カ月かけて組み上げた。

 遷座祭は17日午後7時から。近くの氏子会館に安置しているご神体を住民約300人のちょうちん行列と一緒に運び込む。同神社の渡部公麿宮司(60)は「神社がやっと本来の姿を取り戻し、ほっとしている。今後も大切に守っていきたい」と喜んでいた。

(2016年4月16日朝刊掲載)

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