×

ニュース

中電、原発で提携強化 西日本の電力3社と協定

 中国電力は22日、原発の事故時の対応などについて提携強化を検討していた関西電力、九州電力、四国電力の3社と正式に協定を締結した。廃炉や、テロなどに備えた安全対策を含めて、原発を巡る共通の課題で連携を強める。

 全国の大手電力会社はこれまで原発の事故時に資機材の提供や人員の派遣で協力する協定を結んでいた。今回の提携は、西日本の4社でその範囲を広げる。

 事故対応は、従来の協定よりも100~200人多い要員の派遣を想定する。支店や営業所などでの広報に加え、発電所に人や物資を運ぶ車両の運転でも新たに連携する。がれきを撤去する重機や、電源車両などの燃料を運ぶタンクローリーを提供し合う。

 廃炉は、配管などの放射性物質を除去する技術の検討や、安全性の向上で協力する。中電は昨年3月、島根原発1号機(松江市)の廃炉を決め、他の3社も廃炉原発を抱える。約30年に及ぶとされる廃炉作業は各社とも経験が少ないため知見を共有する。

 安全対策は、航空機の衝突やテロに備えた「特定重大事故等対処施設」で、設備の仕様の統一などを検討する。

 中電は「4社で協力して進めることで、一層の安全性と信頼性の確保に万全を期していきたい」と説明している。(境信重)

(2016年4月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ