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被爆桜 ホテルに植樹 広島市東区で安田女子高生 来客に平和発信

 校内の被爆桜から育てた苗木を全国に広めている安田女子高(広島市中区)の生徒が22日、広島市東区のシェラトンホテル広島に植樹した。JR広島駅前にあり、国内外から被爆地を訪れる来客に平和のメッセージを発信する。(新谷枝里子)

 6階にあるフロント近くの日本庭園を同校の生徒会役員9人が訪問。同ホテルの山本博之総支配人と、約1・5メートルのソメイヨシノの苗木1本にスコップで土をかけた。生徒会長の世良早耶佳さん(17)は「広島の街の玄関口。たくさんの人に命の大切さを伝えられる」と喜んだ。

 被爆当時は軍施設があった現在の校地に1946年、前身の安田高等女学校が移転。爆心地から2・1キロの位置にあるソメイヨシノ(樹高約5メートル、幹回り1・8メートル)は校門近くで今も毎年、花を咲かせ続けている。

 桜の美しさに触れることで平和の尊さを感じてもらおうと、2008年から生徒会執行部が中心になって接ぎ木による苗木作りを開始。全国の学校や団体に贈ってきた。

 シェラトンホテル広島が開業5周年を記念し、同校に植樹を依頼した。同ホテルは外国からの宿泊客が約45%を占めるという。山本総支配人は「市民の平和への願いを世界の皆さんに感じてもらえるよう、大切に育てていきたい」と話していた。

(2016年4月23日朝刊掲載)

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