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「平和宣言に反映」 オバマ氏、広島訪問なら 市長が懇談会で方針

 広島市は24日、松井一実市長が8月6日の平和記念式典で読み上げる平和宣言の文案を検討する懇談会の初会合を中区の原爆資料館で開いた。松井市長は、オバマ米大統領が主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせて5月に広島市を訪れた場合、被爆地での演説を踏まえて宣言をまとめたいとの考えを示した。

 松井市長が会合終了後、報道陣に明らかにした。訪問の具体的な日程は聞いていないとした上で、訪問後にまとめる平和宣言について「大統領がここ(被爆地)で決意表明された内容をそしゃくし、宣言で言及したい」と説明した。

 会合には広島県被団協の坪井直理事長、広島平和文化センターの小溝泰義理事長たち全委員10人が出席した。冒頭を除いて非公開。松井市長はあいさつで「昨年は『人類愛』と『寛容』を掲げた。ことしは一歩踏み込みたい」と述べ、核兵器廃絶への行動理念として「情熱」と「連帯」をキーワードに提言する方針を明らかにした。

 松井市長によると、出席者からは「今こそ核兵器の法的禁止を訴える局面だ」などの意見が出たという。昨年に続き、ことしも市民の被爆体験は公募しない。

 会合は計3回を予定し、松井市長は意見を踏まえて6月上旬の次回会合で骨子案を示す。7月上旬の最終会合で文案を提示し、8月上旬までに自ら起草する。(和多正憲)

(2016年4月25日朝刊掲載)

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