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「広島で核廃絶発信を」 湯崎知事 オバマ氏の演説期待

 広島県の湯崎英彦知事は26日の記者会見で、オバマ米大統領が5月に広島市を訪問する見通しとなったことについて「核兵器廃絶へ各国が前向きな行動を取るよう、世界に希望を与えるメッセージを発信してほしい」と述べ、被爆地での演説の実現に期待感を示した。

 湯崎知事は、オバマ氏が2009年4月にチェコ・プラハでの演説で「核兵器なき世界」に言及したことに触れ、「インパクトは非常に大きかった。機運はその後しぼんだが、(4月に広島市であった)外相会合で膨らんできた」と指摘。オバマ氏が被爆地で演説すれば、さらに機運が高まるとの考えを示した。

 一方、原爆投下に関する謝罪については「最も大事なのは二度と核兵器を使わせないこと。被爆者にもいろんな思いがあるだろうが(謝罪を求める気持ちを)ぐっとのみ込んでも広島に来てもらい、物事を進めることを多くの人が望んでいる」と強調。オバマ氏に謝罪を求めない考えをあらためて示した上で、被爆者と対話する機会を持つよう希望した。

 山口県の村岡嗣政知事も26日の記者会見で、オバマ氏の広島訪問を「核のない世界と恒久平和に向けて大きな前進となる。実現に期待したい」と述べた。02年から約3年間、広島市財政課長を務めた経験から「米大統領の訪問は広島の悲願。これまで発言してきた『核のない社会を目指す』というメッセージを世界に向けて発信してほしい」と望んだ。(松本恭治、村田拓也)

(2016年4月27日朝刊掲載)

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