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校庭の被爆フジ 語り継ぐ 安佐南区の原小 本紙記事を説明板に

 広島市安佐南区の原小は22日、校庭にある被爆フジの説明板を脇のフェンスに取り付けた。被爆後、立派に育ったフジの歴史を児童の心に刻み、平和学習に生かす。

 フジは高さ約3メートルに育ち、枝を大きく広げている。説明板は縦40センチ、横74センチ。近くの得田泰志(ひろゆき)さん(70)が寄贈した1989年1月当時の様子を伝える本紙の記事を、プラスチック製のプレートに加工し直して貼った。

 設置に立ち会った得田さんは、フジの脇で「被爆に負けなかったこの木のように強く生きてほしい」と児童に語り掛けた。

 フジはかつて、大須賀町(現東区上大須賀町)の得田さんの実家で祖父が営んでいた茶店(ちゃみせ)前にあり、客に親しまれていたという。

 被爆して枯れたと思われたが、1年後に新芽を吹いた。現在の得田さん方に移植した後も、父が大切に育てていた。寄贈は得田さんが、平和学習に役立ててほしいと申し出た。

 隅本禎子校長(57)は「風化させず、語り継ぎ、平和を愛する心を根付かせたい」と話している。(野田華奈子)

(2012年3月23日朝刊掲載)

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