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爆心から7キロ あの日語る 東広島・石井さん 3日 初の体験談

 広島に投下された原爆の爆風を受けて飛ばされた東広島市高屋町の石井襄壮さん(74)が6月3日午後3時半から、市内である原爆展で体験を初めて語る。「若い世代に伝えておきたい」と主催する市原水協に申し出た。

 石井さんは当時3歳。爆心地から約7キロ離れた府中町の自宅玄関で、背後から爆風に襲われた。小さな体は引き戸ごと室内に飛ばされ、天井の板が降ってきたという。

 「空全体がピンクに染まる光景が、今も目に焼き付いている」と石井さん。大きなけがはなかった。姉と兄の2人は爆心により近い場所で被爆、兄はやけどを負ったという。

 自宅は被爆者援護法に定める直接被爆の圏外にある。「自分は被爆者健康手帳を持ってはいない。でも、あの日を語れる人が減って体験が風化する今、決意した」と話す。

 原爆展は6月3~5日、市原水協が同市の黒瀬生涯学習センターで開く。午前9時~午後6時。無料。(森岡恭子)

(2016年5月28日朝刊掲載)

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