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被爆者「核廃絶これから」 伊勢の原爆展 広島の山本さん証言 オバマ氏の広島訪問・演説

 主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせて三重県伊勢市で開催中の「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」で28日、広島市東区の被爆者山本定男さん(84)が体験を証言した。27日のオバマ米大統領の広島訪問を受け「これからが重要になる。核兵器廃絶へ関心を持ってほしい」と訴えた。

 山本さんは広島二中(現観音高)2年の時に爆心地から約2・5キロで被爆。巨大な火炎が湧き上がった光景や街の惨状に触れ、「この世の地獄だった」と語った。オバマ氏の訪問は「被爆者として待ち望んでいた」と歓迎。核兵器をなくすため「日本も被爆国として先頭に立ち、訴えないといけない」と述べた。

 この日、2回あった証言には計約200人が訪れ、会場は立ち見が出るほど。山本さんは「オバマ氏の訪問で関心が高まっている。これからも力ある限り証言を続けたい」と話した。

 原爆展は広島、長崎両市が22日から開催し、29日まで。サミット関係者に来場を呼び掛け、25日には欧州連合(EU)代表団の高官3人が訪れたという。(山本和明)

(2016年5月29日朝刊掲載)

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