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「アンネ」 英語で学ぶ 広島の瀬野川中 オランダの資料館運営財団が授業

 「アンネの日記」で知られるアンネ・フランク(1929~45年)が両親や姉たちと暮らしていたオランダ・アムステルダム市の隠れ家を使った資料館「アンネ・フランク・ハウス」を運営する財団の東アジア担当ステファン・フェルファーカさん(68)が、瀬野川中(広島市安芸区)を訪れ、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)やアンネについて英語で授業をした。

 3年生約130人が受講。まず生徒が「どんな日本食が好きか」「なぜ今の財団で働くことにしたのか」などと英語で質問。フェルファーカさんは「すしが好き。アムステルダムでも食べられるが、あまりおいしくない」「ベルギーで生まれたが、12歳の時、アムステルダムに関する映画を見てアンネ・フランク・ハウスを知り、興味を持った」と答えていた。

 DVD「アンネの生涯」を視聴した後、フェルファーカさんが「父母から突然『明日、他の所へ行く。持って行けるのは小さい袋に三つだけ』と言われたら何を選ぶか」と質問。生徒は「お金」「携帯電話」「ラジオ」「写真」「鉛筆」などと答えた。「2年以上外に出られず、室内でも静かにしないといけなくなったら何をして過ごすか」との問いには、「ノートに落書きする」「勉強」「絵を描く」などと回答していた。

 フェルファーカさんは「アンネの日記から学べることは、感情を表現する大切さ。皆さんも心に悩みを抱えたとき、書いたり描いたり人に話したりしてください」と呼び掛けた。

 熱心に聞いていた満極ひまわりさん(14)は「アンネがどんなに苦しかったかが分かった。今の社会でも差別がなくなればいい」と話していた。(二井理江)

(2016年5月30日朝刊掲載)

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