×

ニュース

アジア外交官 核の今学ぶ ユニタール広島が研修会

 国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所は30日、核軍縮・不拡散をテーマに、アジア各国政府の若手外交官の研修会を始めた。核軍縮の国際交渉をリードする人材育成などが目的。6月3日まで、被爆の実態や世界の核兵器の現状を教える。

 ミャンマー、ベトナム、バングラデシュ、モンゴル、スリランカの5カ国から計10人が参加。初日は広島市中区の同事務所で、ストックホルム国際平和研究所(スウェーデン)のタリク・ラウフ氏たちの講義を受けた後、14歳の時に爆心地から2・3キロ地点で被爆した梶本淑子さん(85)=西区=から体験を聞いた。

 「核兵器は絶対悪」と訴える梶本さんの言葉に、参加者は真剣な表情で聞き入った。モンゴル外務省のボロル・ブヤンデルゲルさん(37)は「非人道的な核兵器は世界に必要ない。広島の悲劇が繰り返されないよう努力したい」と話した。

 5日間の研修で、放射線影響研究所(南区)を訪問して核兵器が人体に与える影響を学ぶほか、長崎での被害についても知識を深める。外交交渉の技能を磨くプログラムもある。

 同事務所は1日午後6時半~8時、研修の講師役たちがパネリストを務める無料の公開セッション「『核なき世界』を目指して」を広島国際会議場(中区)で開く。事前の申し込みが必要。同事務所Tel082(511)2424。(松本恭治)

(2016年5月31日朝刊掲載)

年別アーカイブ