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ベトナム戦従軍 日系人の思いは 米在住古本さん 祇園小で講演 

 戦時中、米カリフォルニア州の日系人強制収容所に生まれ、被爆直後の広島で暮らした古本武司さん(71)=米ニュージャージー州在住=が30日、かつて通った広島市安佐南区の祇園小で5、6年生約280人に講演した。オバマ米大統領の広島訪問を機に古里を再訪した。

 古本さんは1946~56年、父親の出身地だった安佐郡祇園町(現安佐南区)で暮らした。11歳で米国に帰国。大学卒業後、ベトナム戦争に従軍を志願した理由を「日系人だからと、ばかにされたくなかった」と明かした。

 米国、ベトナム双方の兵士が戦死する様子を最前線で目撃。戦後の心的外傷後ストレス障害(PTSD)について「よみがえるつらい記憶に耐えられず、妻にもつらく当たった。戦争は誰もを不幸にする」と語った。

 オバマ氏が平和記念公園での演説で改めて掲げた「核兵器なき世界」を実現する道筋を児童に尋ねられた古本さん。「まずは話し合うこと。大統領の広島訪問は第1のステップ」と語り掛けた。(新谷枝里子)

(2016年5月31日朝刊掲載)

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