×

ニュース

3度目の延長申請 上関原発計画埋め立て免許 山口県に中電 19年7月まで

 中国電力は22日、上関原発建設予定地(山口県上関町)の公有水面埋め立ての免許期間を、2019年7月までさらに1年1カ月間延長するよう山口県に申請した。延長申請は3度目だが、県は延長の可否の判断を先送りしてきている。中電は、18年6月までとしていた工事完了が難しくなったと説明している。

 中電は、福島第1原発事故に伴う工事中断を受け、12年10月に3年間、昨年5月には2年8カ月間の免許延長を申請した。3度目について、「工事再開から完成までに約3年かかる。前回の延長申請から1年1カ月過ぎており完成の見込みがないため」とする。

 県港湾課は、これまでの延長申請と合わせて審査する方針。延長可否の判断時期は明らかにしていない。

 中電の延長申請を巡っては、故山本繁太郎前知事、村岡嗣政知事のいずれも判断を保留し、中電側に補足説明を求めてきた。昨年6月、村岡知事は「国のエネルギー政策における(上関原発の)位置付けが変わらないと言えるだけの説明が尽くされていない」として7度目の説明を求めた。中電は回答期限の22日、県に回答文書を郵送した。

 20日に広島市中区の中電本社で、延長申請の取り下げを申し入れた「原発に反対する上関町民の会」の三家本誠共同代表(67)は「中身の分からない審査が長期化している。申請を一度取り下げるべきなのに、さらに延長を求めるとは」と憤る。一方、推進派の上関町まちづくり連絡協議会の古泉直紀事務局長(57)は「国の新増設の方針が見えない中、必ず建設するとの意思表示だ」と歓迎。「県は法律に基づき、適切に処理してほしい」と期待する。(佐藤正明、井上龍太郎)

(2016年6月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ