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避難生活 助け合い探る

 福島第1原発事故を受け、東北や関東地方から広島、三次市など県内に避難している10家族が今月、被災者の会を結成した。東日本大震災から1年を経てなお厳しい生活再建について語り合い、東京電力への賠償請求にも連携して取り組む。20、21日は、西区の太光寺でイベントを開く。(有岡英俊)

 会の名称は「命ひろ異の会」。さまざまな被災経験をした避難者とつながり、命を大切に助け合っていこう、との思いを込めた。

 10家族は、中区の寺で月に1回開かれている交流会などで出会った。語らう中で、健康や将来への不安を抱える避難者が多いと分かり、ネットワークの必要性を感じた。

 発足前の3月1日には、広島市などに住む避難者12人が安佐北区可部のコミュニティーサロン可笑屋(かわらや)で、原発事故被害などの勉強会を開いた。今後は必要に応じて集まり、生活や健康面の課題解決の方策を探る。東電の対応についても追及する。

 20、21日はいずれも午前11時から。20日は、広島医療生協の青木克明副理事長が「内部被曝(ひばく)の影響」と題して講演。21日は語る会を開く。両日とも弁護士が個別相談に応じる。

 福島市から安佐北区に避難中の渡部美和さん(36)は「避難者の心身の負担は続く。一人でも多くの思いを掘り起こし、広く現状を知ってほしい」と言う。渡部さんTel070(5620)5312。

(2012年4月18日朝刊掲載)

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