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3度目延長申請に理解 山口知事 上関原発埋め立て免許

 山口県の村岡嗣政知事は23日、中国電力が上関原発建設予定地(同県上関町)の公有水面埋め立ての免許期間を、2019年7月までさらに1年1カ月延ばすよう県に求めた3度目の延長申請に関し、一定の理解を示した。中電からこの日届いた7度目の補足説明文書は、内容が不十分なら再度説明を求める可能性を示唆した。県の可否判断の長期化に、行政法の専門家からは疑問の声が出ている。

 県庁で記者会見した村岡知事は、15年5月の2度目の延長申請から1年1カ月が経過したことから、今回の申請に対し「3年間の工期が必要だから提出されたと理解している」と述べ、過去2回分の申請とまとめて審査するとした。

 7度目の中電側の補足説明については「国のエネルギー政策上の位置付けが変わっていないかの説明を求めている。内容を精査し適切に判断する」と従来通りの見解を述べた。内容次第では8度目の補足説明を求めることもあるとした。

 中電は当初、12年10月までに埋め立て工事を完成する予定だったが、東京電力福島第1原発事故の影響で中断したままになっている。

 知事が可否判断を先送りしている現状について、広島大大学院社会科学研究科の横山信二教授(行政法)は、公有水面埋め立て免許の申請で「判断がこれほど長引くケースは知らない」とする。「公有水面埋立法では判断の基準に環境保全への十分な配慮を求めており、これだけ時間が経過していれば、住民の考えを確認することが必要だ。知事には相当の説明責任がある」と指摘している。(佐藤正明)

(2016年6月24日朝刊掲載)

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