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普天間移転 石井氏発言 岩国・呉 困惑や懸念相次ぐ

 民主党の石井一参院予算委員長が沖縄県を訪れ、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の国内移転先の候補地として岩国市や呉市を挙げたことを受け、地元では18日、不快や困惑の声が上がった。

 山口県の二井関成知事は、中国・山東省へ渡航前に山口宇部空港で「議員個人の発言でしょうから、いちいち気にしない」と述べる一方、「責任ある立場の人なので発言は慎重にしてもらいたい」と不快感も示した。

 在日米軍再編問題をめぐり、防衛、外務両省は3月22日、山口県と岩国市の照会に「これ以上の負担増をお願いするつもりはない」などと回答している。

 米海兵隊岩国基地を抱える岩国市の福田良彦市長は「今のところコメントすることはない」との立場。市基地政策課は「政府の回答を信用している」とし、今後の状況を注視する構えだ。

 呉市の小村和年市長は「(石井氏は)何の責任も権限もない立場での発言であり、こちらは対応のしようがない。防衛省にも確認したが、そのような話は全くないとのことだった」と受け止める。

 呉市には、米軍の広弾薬庫や管轄する司令部、通信施設などがあるが、米軍機が離着陸できるような飛行場はない。それだけに市の担当部署も「どんな関連で呉の名前が挙がったのか」と困惑しきりだ。(酒井亨、山田英和、滝川裕樹)

(2012年4月19日朝刊掲載)

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