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米高校生に平和訴え オバマ氏と抱擁 被爆者の森さん 広島市中区 米兵捕虜の説明も

 歴史研究家で被爆者の森重昭さん(79)=広島市西区=が27日、平和学習のため広島市を訪れた米マサチューセッツ州の高校生17人に講演した。自ら調べた被爆死した米兵捕虜について説明。ちょうど1カ月前、広島を訪問したオバマ米大統領と対面した経験に触れ、高校生に平和への願いを託した。

 市文化交流会館(中区)で森さんは、被爆死した12人の米兵の中に19歳の青年がいた事実や、米政府から被爆死の事実を長年知らされなかった遺族の心境を伝えた。

 先月27日、平和記念公園(同)で言葉を交わし、抱擁したオバマ氏について「皆さんの国のトップは、核兵器廃絶や世界平和を絶えず考えており、素晴らしい」と語った。

 原爆資料館(同)も共に訪れ、被爆者が描いた、手を縛られた状態で相生橋にいた米兵の絵を紹介した。

 ロバート・アルマーン・セラドさん(19)は「被爆米兵の存在は知らなかった。国籍に関係なく犠牲者の慰霊に取り組む森さんの話を聞き、二度と原爆を使ってはいけないと思った」と話した。(久保友美恵)

(2016年6月28日朝刊掲載)

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