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原爆症認定 援護必要度加味を

 厚生労働省の「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」の第11回会議が26日、省内であった。科学的知見を基に放射線起因性を判断する現行制度に加え、科学で説明しきれない「グレーゾーン」を設けて被爆者の援護の必要度などを基に認定する新たな仕組みを推す意見が相次いだ。

 神奈川県立保健福祉大の山崎泰彦名誉教授(社会保障論)が、一定の起因性が見込まれる場合、医療の必要性などで個別に総合判断する案を示した。ほかの委員からは、残留放射線による影響を考慮する余地があるなどの理由から「グレーゾーンを設けるのは大きな見直し」と評価する声が出た。

 一方、日本被団協の田中熙巳(てるみ)事務局長は、起因性を重視する現行法で「グレーゾーン」を設けても救済範囲が広がるか疑問視した。

 検討会発足時の座長で、1日に亡くなった森亘・元東京大学長の後任の委員は置かないこととした。(岡田浩平)

(2012年4月27日朝刊掲載)

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