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戦時の暮らし 調べ描いた 「この世界の片隅に」展開幕 原作者こうのさん解説

 戦時中の呉市と広島市を舞台にしたアニメ映画「この世界の片隅に」と原作漫画の原画を紹介する特別展が23日、呉市幸町の市立美術館で始まった。原作者の漫画家こうの史代さんが、来館者約200人に物語の背景や裏話などを紹介した。

 こうのさんは会場を回り「料理は何が配給されていたのかなどを調べ、自分で考えた」「B29はプラモデルを組み立てて描いた」などと披露。漫画雑誌に連載中、赤い口紅で描きコピーして白黒に変えた場面があったことなども明かした。

 防府市鋳物師町の税理士浅井典子さん(52)は「戦争によって失われてしまう普通の生活が大事だとあらためて感じた」と話していた。

 映画は1943年、旧呉海軍工廠(こうしょう)に勤める青年と結婚した主人公すずが戦時下の呉市で得意の絵を描き、日々の暮らしを生きる姿を描く。10月の公開に先立つ特別展は原画、取材時の写真など計約710点を展示。原爆投下の実態を伝える資料64点も並べる。

 同美術館、呉市、市文化振興財団、中国放送、中国新聞社主催。11月3日まで。火曜休館。一般千円、大学生600円、高校生以下無料。(広重久美子)

(2016年7月24日朝刊掲載)

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