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連載・特集

オバマ大統領の足跡 <1> 芳名録 壁画前 平和追求記す 広島

 ラクダの隊列のモザイク壁画が目を引く原爆資料館(広島市中区)の東館1階ロビー。オバマ米大統領は、ここで芳名録に筆を走らせた。

 壁画は、尾道市瀬戸田町出身の画家故平山郁夫さんの作。あの日、旧制修道中3年だった平山さんは学徒動員中、現在の広島市南区にあった広島陸軍兵器補給廠(しょう)の材木置き場で被爆した。

 ラクダの歩みを、平山さんは平和を求める行動の象徴として描いた。オバマ氏が「広島を訪問できれば光栄」と述べた直後の2009年12月、平山さんは79歳で亡くなった。

 オバマ氏は芳名録につづった。「共に、平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう」。ラクダの足取りは、軽くなっただろうか。

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 5月27日、現職の米大統領として初となる歴史的な被爆地・広島訪問を果たしたオバマ氏。その足跡をカメラで追った。(写真・河合佑樹、文・馬場洋太)

(2016年7月26日朝刊掲載)

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