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原爆航空写真 資料館に 米団体から 威力確認用21点

 原爆資料館(広島市中区)は28日、広島、長崎へ投下した原爆の威力を、当時の米国のトルーマン大統領ら政権幹部が確認するために使われたとされる写真21点の寄贈を受けたと発表した。所蔵していた米シンクタンクのスティムソンセンターが「核兵器は二度と使われてはならないと伝えるのに使ってほしい」と申し出た。

 21点(各縦56センチ、横71センチ)のうち9点が広島上空からの撮影。投下前の市中心部の航空写真の上に、主な軍関連施設や駅、橋など30カ所に番号をふり、一部には原爆による破壊程度をパーセント表示している。壊滅した旧中島地区(現平和記念公園)一帯を中心に空撮したカットもある。残りのうち11点は長崎、1点は米国での核実験の様子。

 センターは1990年代半ば、投下時に陸軍長官だったスティムソン氏の側近の家族から、トルーマン氏らへの説明資料としてこれらの写真を託されたという。資料館によると、9点のうち8点は既に入手済みの画像と同じで、残り1点も米国立公文書館での所蔵を把握している。

 同館は「新たな写真ではないが、歴史的な価値はある」とし、新着資料展での公開を検討する。(水川恭輔)

(2016年7月29日朝刊掲載)

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