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三井化学事故 放射線「汚染ない」

 山口県和木町の三井化学岩国大竹工場で起きた爆発事故を受け、文部科学省は17日、放射性廃棄物の劣化ウランが保管されている同工場の倉庫や周辺の放射線量を測定した。自然放射線量とほぼ同じで「問題はなく、外への汚染もない」とした。

 文科省原子力安全課の鎌倉幸雄運転管理・検査管理官たち2人が、同社や県関係者たちの立ち会いで測定した。倉庫から2~4メートルの10カ所は毎時0・10~0・16マイクロシーベルト。同工場の自然放射線量は毎時0・09~0・11マイクロシーベルトだった。問題ない数値という。

 倉庫内5カ所は毎時0・15~0・49マイクロシーベルト。濃度が高い劣化ウランを保管しているとみられる場所に近い1カ所だけ毎時9・15マイクロシーベルトだったが、管理場所で働く作業員の安全基準となる千マイクロシーベルト未満(1週間)という。倉庫周辺5カ所の地面や小石も調べ、汚染がないことも確認した。

 文科省は劣化ウランの管理状況を同社への聞き取りや書類でも調査。「適切に保管されている」とした。

 倉庫は4月22日に爆発したプラントの北西約500メートルにあり、40メートル西に住宅街が広がる。同社は触媒などに使った後の放射性物質の劣化ウランなどを200リットル入りドラム缶3379本(計約26・9トン)に保管している。(酒井亨)

(2012年5月18日朝刊掲載)

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