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強制労働犠牲者を悼む 広島県安芸太田で中国人の遺族ら

 太平洋戦争中、安芸太田町坪野の安野発電所を建設するために強制連行された中国人の元労働者を悼む集いが19日、発電所近くの石碑前であった。

 元労働者や遺族、工事を請け負った西松建設(東京)の弁護士でつくる西松安野友好基金運営委員会の主催。元労働者の遺族や家族たち約100人が集い「安野 中国人受難之碑」に花をささげた。碑に刻まれた肉親の名を探す遺族もいた。

 当時、中国人360人が強制連行され、29人が厳しい労働や原爆で命を落とした。碑は2010年に同委員会が建立した。祖父と伯父が連行された陳学升さん(60)は「2人は帰国後、体調不良や人間不信に悩まされた。追悼の場を設けてもらい感謝している」と話した。(畑山尚史)

(2012年5月20日朝刊掲載)

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