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兵士慰霊プレート「尊厳を」 英総領事 旧向島紡績工場を視察

 英国総領事館(大阪市中央区)のサイモン・フィッシャー総領事が24日、英兵士の慰霊プレートが設置されている尾道市向島町の旧向島紡績工場を訪れた。プレート設置を呼び掛けた元牧師南沢満雄さん(70)=向島町=たちの案内を受け、解体中の赤れんが造りの建物を視察した。

 建物外壁には戦時中、工場敷地内にあった捕虜収容所で死去した英兵士23人の名を刻んだプレートがはめ込まれている。ただ、6月中には取り壊しのため外される予定で、総領事は移設の見通しやれんがを再利用した建物の建設構想などを熱心に聞いた。「刻まれた名前を見て感動した。捕虜の尊厳が守られることを願う」と話した。

 見学に先立ち、市役所で平谷祐宏市長と面談。市によると、総領事は「プレート保存問題は適切な解決を望みたい」とし、平谷市長は「日英友好の印であるプレートは大切に取り扱うべきだ」と応じたという。(鈴木大介)

(2012年5月25日朝刊掲載)

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