×

ニュース

21ヵ国巡り証言 反核の思い共有 被爆者5人 帰国会見

 日本の非政府組織(NGO)ピースボート(東京)の船で世界21カ国を回り、被爆体験を証言した広島の被爆者5人が28日、広島市役所で帰国会見を開いた。「世界中の人と反核の思いを共有できた」などと活動の成果を語った。

 5人は68~82歳。日本政府の非核特使として1月24日~5月4日、南米や欧州などを回った。各地の高校や大学で証言したほか、タヒチで核実験の被害者と交流。旧ソ連時代の1986年に爆発事故が起きたウクライナのチェルノブイリ原発や周辺の立ち入り制限区域も視察した。

 李鐘根(イジョングン)さん(82)=安佐南区=は「誰もが熱心に話を聞いてくれた」。中村博さん(80)=府中市=は「チェルノブイリ原発事故で廃虚と化した町を見て、核と人類は共存できないと実感した」と話した。

 船旅には、長崎の被爆者5人も参加した。(田中美千子)

(2012年5月29日朝刊掲載)

年別アーカイブ