×

ニュース

島元院長の遺影登録 広島祈念館 被爆者治療に尽力

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は17日、原爆の爆心直下で壊滅した外科島病院(現島外科内科)の当時の院長で被爆者の島薫さん(1977年に79歳で死去)の遺影を登録したと発表した。被爆前後の病院の写真とともに館内で公開している。

 1945年8月6日、爆心地となった島病院では患者と看護師ら約80人が全員死亡した。広島県甲山町(現世羅町)に出張手術に出向いていた島さんは6日のうちに広島市に戻り、病院から約460メートル南東の袋町国民学校(現袋町小)などで負傷者の救護に当たった。48年、病院を同じ場所に再建して診療を再開。被爆者の治療に尽力した。

 遺影は長男の一秀さん(81)=中区=が今月10日に持参して登録した。被爆前の病院中庭で撮影した島さんたち病院関係者の記念写真も寄せ、祈念館は遺影とともに端末で見られるようにした。同館は「所蔵している回想録も合わせて読んでほしい」としている。

 同館は2002年8月に開館。原爆死没者の名前・遺影や被爆体験記を収集し公開している。今月16日時点で、名前・遺影は2万1324人分が登録されている。(水川恭輔)

(2016年8月18日朝刊掲載)

年別アーカイブ