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元先生の記憶 ヒロシマ証言 地元作家、DVD作品

 広島市西区の映像作家、時川英之さん(43)が、被爆者で元教諭という2人のドキュメンタリー作品「広島の先生たちの物語」を制作した。中学の恩師からの依頼に応え、勉強や運動をできる平和の大切さを説いている。

 映像は35分。爆心地から約1・6キロで被爆した米田進さん(76)=安佐南区=と、両親と姉を亡くした河内政子さん(87)=東区=の証言を収録。それぞれ天満小(西区)で被爆証言をしたり、平和記念公園(中区)で被爆前の暮らしを振り返ったりする様子を中心に構成している。

 時川さんは一昨年、市被爆教職員の会の会員で中学の担任だった松井久治さん(62)=南区=から、会の被爆者の証言映像制作を頼まれた。「平和に貢献したかった」と快諾。市民のカンパも得て今年6月に完成させた。DVD500枚を作り、今月上旬、市立の小中学と広島特別支援学校計206校に贈った。

 「子どもが原爆、平和について考える入り口になれば」と時川さん。松井さんは「生で聴いているかのように証言が迫ってくる。ぜひ授業で使ってほしい」と話す。問い合わせは松井さんTel082(253)8188。(水川恭輔)

(2016年8月31日朝刊掲載)

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