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銅板折り鶴 注文100羽超す 市立広島工高生が製作

例年は数羽~50羽 大統領訪問で注目度アップ

 広島市南区の市立広島工業高の生徒が銅板を加工して作る折り鶴の注文が相次いでいる。ことしは8月末時点で100羽を超えた。広島を5月に訪れたオバマ米大統領が手作りの折り鶴を市に贈ったことで、同校は「平和の象徴として関心が高まっている」とみている。(栾暁雨)

 2005年から機械科3年生の有志が製作している。厚さ約0・15ミリの銅板を工具でたたいて折り曲げ、高さ3~5センチ、幅約8~15センチの作品に仕上げる。作った折り鶴は市立広島商業高(東区)のバザーで販売し、収益を市の原爆ドーム保存事業基金に寄付している。

 例年の製作数は数羽から50羽程度。ことしは、県内で今夏あった全国高校総合文化祭(2016ひろしま総文)の出場者に33羽を贈った。外務省の国連軍縮フェローシップ計画で10月4~6日に広島市を訪れる国連職員と25カ国の外交官への記念品としても広島平和文化センター(中区)から60羽の注文を受けた。

 「これだけの数の注文は初めて」と荒木猛校長。製作が追い付かないため、夏休み中も作業を続けた3年遠藤海都さん(18)は「平和への思いを、被爆地から飛び立って届けてほしい」と願う。

(2016年9月22日朝刊掲載)

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