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ドーム天井の写真寄贈 被爆前撮影 洋画家の遺族、広島市に

 原爆で壊滅する前の広島県産業奨励館(現原爆ドーム、広島市中区)のシンボルのドーム屋根を内部から撮影した写真が28日、複写データとして市公文書館(同)に寄贈された。広島の洋画家、大木茂さん(1979年に80歳で死去)のアルバムから見つかり、遺族が託した。公文書館は在りし日のドームの姿を伝えるのに活用する。

 写真は、大木さんが奨励館で画家仲間と絵画展を開いていた30年代の撮影とみられる。原爆資料館によると、ドーム部分の天井と最上階5階の窓や手すりの意匠を捉えた貴重なカットという。この日、アルバムを受け継ぐ孫の平松敦子さん(57)=西区=が公文書館を訪れ、寄贈手続きをした。

 アルバムに一緒に収められていた奨励館内での絵画展、絵画教室の写真なども一緒に託した。公文書館の中川利国館長は「ドーム内部の写真は美術関係者だから残していたと思わせる芸術的なアングル。ほかの写真も含めて戦前の広島美術界の資料として興味深く、分析して活用したい」。同館ホームページなどでの公開を検討する。(水川恭輔)

(2016年9月29日朝刊掲載)

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