×

ニュース

孫が見る8・6と8・9 広島・長崎 両都市の式典に出席へ

 原爆投下を命じた米国のトルーマン元大統領の孫で元新聞記者のクリフトン・トルーマン・ダニエルさん(55)=シカゴ市=が8月、広島と長崎の両市を初めて訪れる。両被爆地の式典に出席し、原爆犠牲者の冥福を祈る。

 広島で被爆し、12歳の時に白血病で亡くなった佐々木禎子さんの兄雅弘さん(70)=福岡県=が呼び掛けて、訪問が実現した。雅弘さんが代表理事を務めるNPO法人「SADAKO LEGACY(サダコレガシー)」が21日、広島市役所で発表した。

 ダニエルさんは、広島、長崎の両方への原爆投下機に搭乗した唯一の米兵の孫で、昨年8月に広島市を訪れたアリ・ビーザーさん(24)=ロサンゼルス市=と8月3日に広島市入り。原爆慰霊碑(中区)への献花や被爆者との面会をして、6日は平和記念式典に出席する。7~9日まで長崎市にも滞在する。

 雅弘さんは、原爆の子の像のモデルになった禎子さんの話にダニエルさんが感銘を受けたのを知った。2010年5月にニューヨークで面会し、被爆地への訪問を勧めた。

 会見した雅弘さんは「日米がわだかまりを乗り越えることが平和を築くために必要だ」と話した。ダニエルさんは「祖父の決断が被爆者の皆さんの人生にどんな影響を与えたか理解しなくてはならないと思い、来日を決意した」との談話を寄せた。(田中美千子)

(2012年6月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ