×

ニュース

エネルギー・原発 焦点

 山口県知事選は22日までに4人が立候補を表明し、戦いの構図がほぼ固まった。昨春の東日本大震災や福島第1原発事故を受けて各氏とも「エネルギー政策」を重視し、太陽光発電など再生可能エネルギーの政策論争を展開。中国電力が同県上関町に計画する原発建設への対応も焦点となっている。(金刺大五)

飯田哲也氏 自然エネ「事業興す」

山本繁太郎氏 エネ政策「国に協力」

高邑勉氏 上関原発 凍結を主張

三輪茂之氏 上関原発は「白紙に」

 22日に会見した環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏は海外の環境先進国を歴訪した経験をもとに、「小規模分散型の自然エネルギーは自分たちの力で事業を興し、継続的にできる」と主張。国や東京都、大阪市で政策立案や実践に関わった実績をアピールした。

 上関原発は、建設予定地の埋め立て免許の延長を二井関成知事が現状で認めない方針を示していることを踏まえ「それほど大きな焦点にならないと思う」と指摘した。

 自民、公明党が推薦する元官僚山本繁太郎氏は飯田氏の会見を受け「堂々と政策論議し全力で戦いたい」とコメントを出した。

 公約集では「瀬戸内の産業力再生」に力点を置き、その中で太陽光など再生可能エネルギー産業の育成を提唱。中電株の配当金を産業振興や人材育成に限定して活用する考えも示した。

 上関原発については「国のエネルギー政策に協力する」「上関町の政策選択を尊重する」とし、二井知事の路線継承を強調する。

 民主党衆院議員の高邑勉氏は、バイオマスや潮流、洋上風力など多様なエネルギーの活用を挙げる「エネルギーの地産地消」に注目し、官民連携のファンド(基金)創設を提案。民間資金を呼び込み「4年間は再生可能エネルギーの拡充に集中したい」とする。

 その効果を見極めるまで、上関原発の現行計画は5~10年程度の「凍結」を主張。一方で国内の原発は一定数を維持し、安定的な電力供給体制を保つことが産業界にとって必要としている。

 元県職員の三輪茂之氏は上関原発計画を「白紙撤回されるべきもの」と否定。「再生可能エネルギーをできるだけ普及させるべきだ」としている。

(2012年6月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ