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岩国市長「詳細情報得た」 F35B視察 騒音測定はできず

 砂漠に囲まれた米アリゾナ州の海兵隊ユマ基地に、最新鋭ステルス戦闘機F35Bの姿はあった。米海兵隊岩国基地の既存部隊の「機種更新」という位置付けで、国が県市に配備概要を伝えて約2カ月となる24日(日本時間25日)。情報収集に訪れた岩国市の福田良彦市長や国に対し、米軍側は安全性を強調し、地元理解を求めた。(ユマ(米アリゾナ州)発 野田華奈子)

 「現行機が危険なわけではないが、安全面でF35Bは向上している」。乾いた大地の上を旋回する4機のF35Bを目で追いながら、同機を運用する第121海兵戦闘攻撃中隊司令のJ・T・バルド中佐は視察に訪れた福田市長にそう繰り返した。

 運用実績が浅く、日本にない最新機種だけに、市が受け入れを判断するには情報が乏し過ぎるとして米国まで来た福田市長。隊員教育の詳細を尋ねると、バルド中佐は「航空機のシステムを学んだ後、シミュレーターと実機の訓練をする」と回答。岩国には他の航空機で500~2千時間の飛行を経験した、選ばれたパイロットが行くと説明した。

 福田市長は会談後、「詳細な情報が得られ、現場に赴いた意義はあった。基地の幹部と直接意見交換できたのもよかった」と受け止めた。ただ、市が実施しようとしていた騒音測定はできなかった。国側も今回初めて実機を見ており、同行した中国四国防衛局の菅原隆拓(たかひろ)局長は「あらためて安全性の確認ができた」と話した。

 「岩国の皆さんによく理解して受け入れてほしい。万全を期して運用する」。岩国に移転する計画のF35Bの部隊を率いるバルド中佐は、薄灰色の機体を視察の一行に見せながら強調した。計画では来年1月から岩国に移ることになっている。

(2016年10月26日朝刊掲載)

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