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原爆症訴訟 8年を回顧

 原爆症認定集団訴訟の終結集会が23日、東京・一ツ橋の日本教育会館であった。シンポジウムは、被爆者や弁護士たち4人が8年余の闘いについて、各原告が法廷で訴えた被爆の実態が勝訴の鍵になったと振り返った。

 約250人が参加した。集団訴訟を主導した日本被団協の田中熙巳(てるみ)事務局長は、残留放射線などの影響を軽視する国の姿勢に触れ、「入市や遠距離の被爆でも亡くなった。被害の実態をきちんと法廷で訴える必要があった」と語った。千葉県弁護団の秋元理匡(まさただ)弁護士も「実態に即した判断を繰り返し求めた」と話した。

 訴訟の成果を福島第1原発事故の被災者支援に生かす道も探った。福島市の斎藤紀医師は低線量被曝(ひばく)による晩発性障害を懸念し、中長期的な健康管理の必要性を説いた。

 集団訴訟は2003年4月から全国17地裁に306人が提訴。勝訴を重ねた。国は08年4月、認定基準を大幅に緩和。11年12月の大阪地裁判決で事実上終結した。集会は被団協などの実行委員会が開いた。(岡田浩平)

(2012年6月24日朝刊掲載)

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