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原爆・平和報道を評価 中国新聞読者と報道委 「カープ連載読み応え」

 中国新聞の報道に有識者が提言する「読者と報道委員会」の第44回会合が27日、広島市中区の中国新聞ビルであった。5月のオバマ米大統領の広島訪問や25年ぶりにリーグ優勝した広島東洋カープに関する報道などについて、3委員が編集局幹部や担当記者と意見を交わした。

 広島大地域経済システム研究センター長・教授の伊藤敏安氏(61)と山口県立大副学長の加登田恵子氏(60)、弁護士の中田憲悟氏(56)の3委員が、江種則貴編集局長の司会で議論した。

 オバマ氏の広島訪問から8月6日までの一連の原爆・平和報道について、加登田氏は「多様な識者の見解、被爆者一人一人の思いなど、全国紙に比べて丁寧かつ多面的に取材していた」と評価。伊藤氏は、オバマ氏の側近で「ヒロシマ演説」の草稿を書いたベン・ローズ大統領副補佐官への本紙単独インタビューやその後の連載に触れ、「演説の成り立ちやオバマ氏が政策より道徳的使命を語る方針だったことが理解でき、演説内容を読み直す契機になった」と述べた。

 カープ報道では中田氏が「ファン拡大や関連グッズ販売の活況を支える社会情勢や球団の戦略を深く知りたい」と注文。伊藤氏は「黒田(博樹)、新井(貴浩)両選手の連載は読み応えがあった。心情やエピソードを多く知り一層、興味を持った」と述べた。

 リオデジャネイロ五輪・パラリンピックの報道については「地元選手の過去の挫折やそれを乗り越えた努力を伝える記事に元気づけられた」「パラリンピック競技のルールや観戦の楽しみ方をもっと発信してほしい」などの意見が出た。(久保友美恵)

(2016年10月28日朝刊掲載)

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