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「日本の立場 合致せず」岸田外相説明 核兵器禁止条約 国連委決議

 岸田文雄外相は28日、首相官邸で記者団に対し、国連総会第1委員会(軍縮)で「核兵器禁止条約」制定の交渉開始決議案に反対票を投じた理由について、「具体的、実践的な措置を積み重ね、核兵器のない世界を目指すわが国の立場に合致しない」と説明した。

 日本政府は、8月の国連作業部会で決議案と同趣旨の勧告を盛り込んだ報告書を採決した際は棄権しており、今回は明確に意思表示した形。岸田外相は今回の決議案が、段階的な軍縮を唱える保有国と廃絶を急ぐ非保有国の間の「亀裂を深める」とも指摘した。一方で、米国が日本主導の核兵器廃絶決議案の共同提案国になった見返りに、米国の意向通りに禁止条約決議案に反対したとの見方は否定した。(田中美千子)

(2016年10月29日朝刊掲載)

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