×

ニュース

米軍属・国に8900万円請求 岩国事故で遺族

 岩国市で2010年9月、同市の無職男性=当時(66)=が、公務中の米海兵隊岩国基地の軍属女性(34)の乗用車にはねられ死亡した事故で、男性の遺族4人が25日までに軍属女性と国に対し、約8933万円の損害賠償を求める訴えを山口地裁岩国支部に起こした。

 軍属女性は10年9月7日朝、同市牛野谷町の市道で出勤中に男性をはねて死亡させたが、日米地位協定などを理由に不起訴処分とされている。

 訴状などによると、遺族は逸失利益約3310万円、慰謝料約4500万円など計8933万円を請求。日米地位協定に基づく民事特別法に基づき、国にも連帯責任として支払うよう求めている。

 同法は軍人や軍属が公務中の違法行為で他人に損害を加えた場合、国が損害を賠償すると規定している。

 軍属女性は自動車運転過失致死傷の疑いで書類送検されたが、山口地検岩国支部は10年10月、日米地位協定を理由に不起訴処分にした。11年12月に地位協定の運用見直しなどを理由に2度目の審査を申し立てたが、「一事不再理」を理由に却下されていた。

(2012年6月26日朝刊掲載)

年別アーカイブ