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タリバン高官 資料館を見学 広島

 アフガニスタンの一部地域を実質支配しているタリバンの現役と元高官が、同志社大の招きで来日し、25日、広島市中区の原爆資料館を訪れた。案内した同志社大元教授の中田考氏によると、2001年のタリバン政権崩壊後、現役高官の来日は初めてという。

 訪れたのは、政治委員会(外務省に相当)のディーン・モハンマド委員と、タリバン政権末期、駐パキスタン大使としてスポークスマン的な役割を果たしたアブドゥルサラム・ザイーフ氏ら。

 資料館では、原爆で廃虚となった広島の写真や佐々木禎子さんの折り鶴などに見入っていた。ディーン氏は「ヒロシマもアフガニスタンも同じ。米国は21世紀になっても戦争をやめずにいる」と米国を批判した。

 政権崩壊後、グアンタナモ米軍基地に約3年間収容されたザイーフ氏は「とても悲しい。私は平和を信じ、求めている。米国の原爆投下は人道的に許せないし、核兵器はなくすべきだ」と話していた。

 2人は、同志社大が27日に学内で開くアフガニスタンでの平和構築を目指すシンポジウム出席のため来日。広島訪問を希望し、実現した。(増田咲子)

(2012年6月26日朝刊掲載)

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