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オスプレイ 搬入「現時点で反対」 山口知事 防衛局、県に説明

 中国四国防衛局は27日、モロッコと米フロリダ州で相次いだ米軍垂直離着陸輸送機オスプレイの墜落事故について、米国防総省が日本側へ説明した事故経過を山口県に伝えた。二井関成知事は「安全性が確保されたとは到底言えない」として、米海兵隊岩国基地(岩国市)への先行搬入に現時点で反対する考えをあらためて示した。

 中国四国防衛局の藤代誠企画部長が県庁を訪ね、事故の発生状況や原因調査経過を県岩国基地対策室の矢敷健治次長に説明。フロリダでの事故は8月末に調査が終了する見通しで「現時点では正確な事故原因を臆測することはできない」とする米側の考えを伝えた。

 一方、米政府が29日にも日本政府に正式通告する方針とされる、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備計画については、藤代企画部長は「一切受けていない」とした。

 二井知事はこの日、県議会定例会の一般質問に答え「(オスプレイは)いまだ安全性が確保されたとはいえない。現時点では反対」と答弁した。

 さらに岩国基地への先行搬入に加え、普天間配備後の岩国基地での訓練展開も「真に安全性が確保されない限り反対」と述べ、米側の調査結果や結果への国の評価を確認し、安全性を判断すると説明した。

 また、米側が岩国基地への先行搬入期間を10~14日間程度としたことにも言及。「(期間が)担保されるかを今後、政府にただしたい」と述べた。(山田英和)

オスプレイ岩国先行搬入 市長「了解できない」

 米政府が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場(沖縄県)配備を29日に日本側へ正式通告する方針に関し、岩国市の福田良彦市長は27日、会見で、米海兵隊岩国基地への先行搬入を「現段階では到底了解できない」との考えをあらためて示した。

 福田市長は、米政府が配備通告する「接受国通報」について「国からの報告はない」と明言。29日に東京で民主党の平岡秀夫元法相(衆院山口2区)や藤谷光信参院議員と面会し、米政府が通告しないよう協力を求めることを明らかにした。

 基地問題が争点の一つとみられる知事選については、元国土交通審議官の山本繁太郎氏(63)=自民、公明党推薦=の支援を明らかにし「岩国市や県全体の発展に必要な人を支援したい」と述べた。(酒井亨)

和木町長らにオスプレイ墜落事故説明 中四国防衛局長

 中国四国防衛局の辰己昌良局長は27日、山口県和木町に古木哲夫町長、周防大島町に椎木巧町長をそれぞれ訪ね、オスプレイ墜落事故についての米国防総省から日本側へ届いた説明内容を伝えた。古木町長は「再発防止を徹底してほしい」と要請し、椎木町長は「機体に欠陥がないという説明を聞いたが、不安解消にはならない」と答えたという。

(2012年6月28日朝刊掲載)

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