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シベリア抑留 過酷体験語る 柿木中で野村さん 島根県吉賀

 島根県吉賀町の柿木中で19日、文化祭があり、同町沢田の野村定男さん(96)が戦争体験を語った。3年間に及んだシベリア抑留の経験を生徒や住民らに伝え、戦争の悲惨さを訴えた。

 野村さんは1941年、開拓団の一人として旧満州(中国東北部)へ。45年、旧日本軍に召集された後、終戦を迎え、捕虜となった。道路作業や木の伐採など過酷な労働の毎日。気温はマイナス40度にもなり、「凍傷の顔は針を刺されるような痛さだった」。栄養失調で仲間が次々亡くなり、「地獄のような日々」と振り返った。

 常国芳文校長が六日市中(同町)に勤めていた2010年から親交を深めている縁で講演した。野村さんは最後に「軍国主義の時代、戦争に反対でも言えなかった。正しいことは正しいと言い切る強い意志を持った人になって」と締めくくった。(江川裕介)

(2016年11月20日朝刊掲載)

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