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何げない風景 奪うのは戦争 原爆小頭症の川下さん 5月に続き広島市東区で詩画展

 原爆小頭症患者の川下ヒロエさん(70)=広島市東区=の詩画展が22日、東区若草町の広島主城教会で始まった。5月の初個展に続いて2回目。27日まで。無料。

 「あきにはいなほもみのる 米になるのはもうじきだね」などと散歩で印象に残った風景から詩を作り、水彩画を添えて色紙に筆書きした。6月以降に制作した作品を中心に31点を展示している。

 一昨年92歳で亡くなった母兼子さんを思い、植物に母親の姿を重ね合わせたり、生前に聞いた原爆投下直後の広島の様子を表現したりした詩画もある。

 母親の胎内で原爆に遭い、身体障害や知的障害がある川下さん。「何げない四季の風景も、戦争では焼かれてしまう」と作品に込めた平和への思いを訴えている。(田中謙太郎)

(2016年11月23日朝刊掲載)

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