×

ニュース

原発避難者 被爆者と交流 横浜いじめ問題 意見交換

 福島第1原発事故の被災者と広島の被爆者が体験の継承について語り合う交流会が25日、広島市中区であり、約30人が参加した。原発事故後に横浜市へ自主避難した男子生徒が転校先でいじめを受けていた問題にも触れ、意見交換した。(栾暁雨)

 東日本大震災の被災者と交流し、現地の様子などを紙芝居にして上演している広島市の市民グループ「まち物語制作委員会」などが大震災から5年を機に企画。避難指示区域の福島県浪江町から避難している2人を招き、避難生活を描いた紙芝居を演じた。

 同県桑折町に避難している八島妃彩さん(50)は「横浜の問題が報じられるまで、いじめは表面化していなかっただけで、避難先で不登校になった児童は多い」と報告した。

 同委員会のメンバーで入市被爆した新多美智恵さん(77)=西区=は、被爆者が就職や結婚で受けた差別について言及。被爆体験を家族にも話さなかった時期があるとした上で「つらい経験は思い出したくないが、風化させてはいけない。どんな形でも生の声で発信し続けることが大切」と話した。

 福島市に避難している岡洋子さん(56)は「勇気をもらった。偏見に負けず、紙芝居などで原発被害の恐ろしさを次世代に伝えるよう活動を広げたい」と力を込めた。

(2016年11月26日朝刊掲載)

年別アーカイブ