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日本「平和のリーダーに」 広島訪問の国連難民高等弁務官 平和公園で献花し講演

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグランディ高等弁務官が27日、広島市中区の平和記念公園で原爆慰霊碑に献花した。原爆資料館で講演し「戦争から復興した日本は平和構築のリーダーになってほしい」と述べ、難民受け入れに理解を求めた。

 講演会は広島市立大(安佐南区)とUNHCR駐日事務所が開き、市民ら約150人が参加。グランディ氏は、欧州で難民流入を拒絶する感情が高まっていることに懸念を示し、「各国が人道的な共感を持ち、支援の責任を公正に分担することが大事だ」と述べた。

 その上で「難民を助けようという世論を強め、日本政府に支援の拡大を促してほしい」と強調。「戦争の破壊を象徴するヒロシマは、平和維持へ私たちを結束させる希望でもある」とし、26日に市に要請した同大での難民学生受け入れの実現に期待感を示した。

 グランディ氏は講演に先立ち原爆資料館を見学。記者団に「強く感情を動かされた。難民をなくすためにも戦争をやめないといけないと訴えていく」と述べた。(水川恭輔)

(2016年11月28日朝刊掲載)

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