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広島の原爆資料館にオバマ氏礼状 図録贈呈に感謝

 5月に来館したオバマ米大統領に所蔵品の図録などを贈った原爆資料館(広島市中区)に1日、オバマ氏から礼状が届いた。「あのような苦しみを二度と起こさないため、歴史を直視する共通の責任がある」と原爆被害に向き合う思いをつづっている。

 11月21日付。贈り物に対する感謝の言葉に続き、「核兵器のない世界に向けた行動の誓いを再確認するために、広島を訪れた。さらに多くの人が過去を理解し、思いやるために時間を割く限り、より明るく、平和な未来が待っている」と記す。最後にオバマ氏のサインがある。

 オバマ氏は広島訪問時に同館に10分滞在し、被爆資料を見学。同館は、図録2冊と黒焦げの弁当箱の写真の額装を土産にした。志賀賢治館長は「来館時に被害の実態を直視しようとし、図録で再度、見た記憶をよみがえらせてくれたのがうかがえる。ありがたい」と話す。来日しなかったミシェル夫人へも被爆資料の写真集を届けていた。

 また、西区の高橋史絵さん(79)にも11月7日付の同じ文面の礼状が届いた。オバマ氏の訪問時に、星条旗にちなんだ赤青白3色の折り紙で千羽鶴と首輪を作り市に託していた。高橋さんは「退任後も平和のために働いてほしい」と語った。(水川恭輔、長久豪佑)

(2016年12月2日朝刊掲載)

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