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この世界の片隅に 舞台の呉でも「異例の人気」 広島県外からも来館

 ヒット中のアニメ映画「この世界の片隅に」が、舞台となった呉市でも大きな反響を得ている。呉市中通3丁目にある映画館呉ポポロでは、観客が300人を超える日もある「異例の人気」。呉観光協会は児童、生徒を中心に鑑賞の輪を広げるよう呼び掛けを強める。(小笠原芳)

 同館を運営する呉興行倶楽部の下原謙次郎専務(79)によると、公開が始まった11月12日から12月1日までの20日間で、1日72~312人が鑑賞した。

 ここ10年間は郊外のシネコンの影響などで、観客数が1桁の日もあるという。下原専務は「女性と中高年が目立つ。舞台となった呉で見たいと県外から来る観客もいる」と話す。8日は午後2時55分から片渕須直監督が舞台あいさつに訪れ、サイン会を開く。

 戦中、戦後を生き抜く女性の姿を描いた本作は全国で上映館が増えている。呉観光協会の協会員は11日、市内である小中学生向けの命をテーマにした学習会で講演。戦時中の暮らしぶりや呉市の空襲などを語る。

 作品を広めるため市内の小学校の朝礼も巡る。同協会の平田己恵子さん(47)は「アニメなら戦争について抵抗なく学べる。身近に戦争があったことを教えたい」と話している。

(2016年12月2日朝刊掲載)

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