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トランプ氏「核戦力強化」投稿 被爆者「理解できない」

 トランプ次期米大統領が核戦力の強化を目指す趣旨をツイッターに投稿したのを受け、広島の被爆者は23日、核兵器廃絶へ向けた世界の動きに逆行する考えだとして怒りの声を上げた。ロシアのプーチン大統領も22日に核戦力強化について発言。核軍拡競争を招きかねない危険な言葉の応酬に、被爆地で懸念が広がっている。

 広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之副理事長(74)は「理解できない。追従する国が出てくれば、核開発の競争が再びエスカレートしてしまう」と批判。被爆者たちが願う「核兵器禁止条約」の交渉が来春に国連で始まる見通しとなっており、「水を差す発言。慎重な上にも慎重な言動をすべきだ」と憤った。

 トランプ氏は、大統領選の共和党の指名争いの最中に日本の核保有を認める発言をしたと報じられるなど、核政策に対する認識を不安視する見方は多い。「世界が核軍縮に向かう中、論外だ」と、もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(72)も非難。ツイッターで投稿する行為を「軽さに、ばかにされている感覚すら覚える」と語った。

 広島市立大広島平和研究所の水本和実副所長(核軍縮)は「核戦力によって国益の増強を目指そうという意味に受け取ることができる、危険な発言。ロシアを念頭に置いているのであれば、新たな冷戦に世界を引きずり込もうとする時代錯誤的な考え方だ」と指摘している。(長久豪佑)

(2016年12月24日朝刊掲載)

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