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『ジュニアライター発』 核廃絶 作品通じて訴え 初代「ゴジラ」主演 宝田明さんに聞く

 広島市中区で開催の「大ゴジラ特撮王国」展に合わせて広島を訪れた、第1作「ゴジラ」の主演俳優宝田明さん(82)にインタビューしました。「米国の水爆実験を受けたゴジラも被爆者。広島の人たちと同じ悲しい運命を持っているからこそ名誉市民になってほしい」と話します。

 第1作は、マグロ漁船の第五福竜丸が太平洋で操業中、米国の水爆実験の「死の灰」を浴びたビキニ事件の8カ月後の1954年11月に公開。「手探りの中、核兵器廃絶のメッセージを込めて作った」と宝田さんは言います。映画は大ヒットし、観客動員数は961万人に上りました。「単なる怪獣映画にとどまらなかったから」と分析します。

 今は核戦争の恐ろしさに加えて、核エネルギーの怖さも訴えます。東京電力福島第1原発事故を受け「福島の山中の枯れ葉までは除染できない」。ただ、化石燃料は有限だとして「替わるものがあればいいが、難しい問題」と指摘します。

 広島は、57年に映画の舞台あいさつのため初めて訪問。復興ぶりを見て、人々の力強い意志を驚異に感じたと言います。広島の若者に対しては「一番憎むべきものは戦争。兵器で国を守るという考え方はもう要らない。外交など平和的方法によって戦争のない日本を目指して生きていってほしい」と笑顔でメッセージを送ります。(高3二井谷栞、高1岩田央、中3平田佳子、中2川岸言織)

(2016年12月26日朝刊掲載)

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