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山口の116人が提訴 安保関連法 被爆者ら「違憲」

 集団的自衛権を使えるようにする安全保障関連法により平和的生存権などを侵害されたとして、山口県内の被爆者や戦争体験者たち116人が26日、国に1人当たり10万円の慰謝料を求める訴えを山口地裁に起こした。全国で提訴が続く集団訴訟の一環。

 訴えでは、安保関連法は交戦権を否認した憲法9条に違反し、無効だと指摘。駆け付け警護や弾薬の提供などの後方支援活動も違憲とし、日本がテロや攻撃の対象になる可能性があるとして平和的生存権などを侵害されたとした。

 午前10時ごろ、横断幕を掲げた原告たち約60人が山口地裁に向かい、訴状を提出。続いて近くで弁護団の集会を開き、内山新吾団長(57)が「憲法9条を生かした平和が壊されないよう、山口の経験や思いをぶつけていきたい」と述べた。

 弁護団によると、原告は県内の29~90歳の116人。広島市で被爆した児童文学作家那須正幹さん(74)=防府市=も名を連ねる。原告の一人で、「被爆二世の会」(山口市)の寺中正樹代表(54)は「父は広島で被爆し、母からは徳山空襲の話を繰り返し聞いて育った。二度と繰り返してはいけない」と語気を強めた。(原未緒)

(2016年12月27日朝刊掲載)

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