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折り鶴に着想 感謝のアート 山口の竹部さん創作 ケネディ米大使に贈る

 2015年に山口市主催の「やまぐち新進アーティスト大賞」を受賞した木工作家竹部徳真さん(29)=同市小郡下郷=が昨年末、オバマ米大統領が広島に残した折り鶴をモチーフにした作品を、キャロライン・ケネディ駐日大使に贈った。大統領の広島訪問の実現に大使の果たした功績をたたえた。

 県産アカマツの丸太を2~3ミリの薄さにくりぬいて筒状にして、ろうそくをともす作品(直径12センチ、高さ13センチ)。内側にタービンがあり、オバマ大統領の折り鶴に着想を得た銀細工5個を軸と羽根に取り付けた。ろうそくの火で暖められた気流でタービンが回ると、折り鶴の影が回転しながらアカマツや天井にほのかに浮かぶ。

 竹部さんは山口市の県立大大学院を修了後、約1年間、広島市の画廊に勤めた。その頃に出会った被爆者とのつながりが、創作の根底にあるという。

 平和とは、「それぞれ思いがある者同士が歩み寄ること」と捉える。昨年8月には広島市中区の西蓮寺で僧侶と協力し、インスタレーション(空間構成)を展示した。芸術や宗教を融合させることで平和を表現した。

 作品を贈ったのは、歴史的一歩を刻んだことへの感謝を伝えるためだ。竹部さんは「ろうそくの明かりが周りを照らすように、ケネディ大使には平和の思いで周囲を照らし続けてほしい」と願う。(宮野史康)

(2017年1月17日朝刊掲載)

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