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F35岩国基地到着 米国外で初の配備

 岩国市の米海兵隊岩国基地に18日夕、最新鋭ステルス戦闘機F35Bの第1陣が米アリゾナ州海兵隊ユマ基地から到着した。アジア太平洋地域を重視する米国の戦略「リバランス政策」の一環で、米国外では初めての配備。岩国基地には7月以降、米海軍厚木基地(神奈川県)から空母艦載機約60機が移転する計画もある。実現すれば配備機は米空軍嘉手納基地(沖縄県)の約100機を上回る約120機となり、軍事的な拠点性がさらに高まる。(野田華奈子)

 F35Bは2機編隊で飛来し、午後5時28分に最初の1機が滑走路に着陸した。この日の到着は2機だけ。今回はこの2機を含めた計10機がFA18ホーネット3部隊のうち1部隊(12機)と入れ替わり、8月には残る6機がAV8Bハリアー部隊(8機)と替わる計画で、計16機の配備となる。米海兵隊は今月20日に基地内で式典を開く見通し。

 第1陣として到着した、同機を運用する第121海兵戦闘攻撃中隊司令のJ・T・バルド中佐は「隊員や家族は岩国のコミュニティーの一員になれることに大きな誇りを持っている」とのコメントを発表。同中隊を統括する第1海兵航空団(司令部・沖縄県)司令官のラッセル・サンボーン少将は書面で、「F35Bの到着は日本の防衛や太平洋地域の安全におけるわれわれの責任を具体化するもの。最新の技術で同盟国にさらなる支援を提供する」と配備の意義を強調した。

 F35Bの配備計画は昨年8月、国が県市に伝達した。福田良彦市長はユマ基地での実機視察などを通じて住民生活への影響を検証。「現状より悪化しない」としていったん容認した。山口県の村岡嗣政知事も容認したが、米国内で同10月にF35Bが出火事故を起こしたことが分かり判断を留保。国や岩国基地による原因説明などを踏まえ、同12月21日、騒音対策や地域振興策の要望について「実効性ある対応」を条件とした容認を国に伝えていた。

F35
 レーダーに映りにくい高度なステルス性を誇る最新鋭戦闘機で「第5世代機」と呼ばれる。米ロッキード・マーチン社が米海軍、空軍、海兵隊向けに3タイプを開発。米海兵隊岩国基地に配備されるF35Bは短距離離陸と垂直着陸ができ、全長15・6メートル、翼幅10・7メートル、最大速度マッハ1・6。空軍仕様のF35Aは、航空自衛隊がF4戦闘機の後継機として42機を購入予定。

(2017年1月19日朝刊掲載)

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